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全世界をどん底に突き落としたかった。
あの若者を叩きのめしながら、ぼくが本当にしたかったのは、種の保存のためのセックスを拒絶して絶滅の危機に瀕しているパンダや、あきらめて海岸に乗り上げる鯨やイルカの眉間に、片端から銃弾を撃ち込むことだった。
絶滅だとは考えないでもらいたい。ダウンサイジングだと思ってくれ。
過去数千年をかけて人類はこの惑星を痛めつけ、破壊し、崩壊させてきたというのに、今頃になって歴史はぼくに全人類の尻ぬぐいを押しつけてくる。スープの空き缶は洗って潰さなければならない。汚れたエンジンオイルは一滴たりとも無責任に垂れ流してはならない。
そのうえぼくは、ぼくがまだ生まれてもいない時代に廃棄された放射性廃棄物や地中に投棄されたガソリンタンクや埋め立てに使った有毒汚泥のつけを払わなくてはならない。
ぼくは天使の君の頭を赤ん坊かフットボールみたいに脇の下に抱え込み、拳骨で殴り、天使の君の歯が折れて唇から飛び出すまで殴った。それから、天使の君がぼくの腕に倒れ込み、床に滑り落ちて小山のようにうずくまるまで肘を使って天使の君を殴った。頬骨の皮膚が叩きのばされ、どす黒く変わるまで殴った。
ぼくは煙を呼吸したかった。
野鳥や鹿はつまらない贅沢品で、魚はすべて水面に浮いているべきだ。
ぼくはルーブル美術館に火をつけたかった。エルギンの大理石彫刻をハンマーで叩き壊し、モナリザでけつを拭きたかった。世界はもうぼくのものだ。
チャック・パラニューク ファイト・クラブ p.162-163, 1999, ハヤカワ文庫 ぼくらは世界から歴史を吹き飛ばしたかった。 - quote stock (via ninonbooks) (via miyavi) (via cafistar) (via send)2008-09-29
(via gkojaz)2月 6, 2012に公開 via ninonbooks.tumblr with 26リアクション
出典: ninonbooks
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